グレンチェックのスーツ

仕立て屋になる前は、会計事務所に勤めていましたので、実家の家業が洋服屋だったとはいっても、案外着るものには無頓着。勤め初めが7月の暑い時期だったのですが、今思えば平気で秋冬物を着ていて、それまではその秋冬スーツで一年中過ごしていたりしたのでした。さすがに薄手の春夏物を買ってもらうのに、店員が厚手の秋冬スーツを着ているわけにはいかないので、急遽、社販で吊るしの既製スーツを購入。あまりにも急ぎすぎていて冷静さを失っていたのか、それとも先を読む眼力があったのか、その時購入したのは、紺はスーツの基本ということで、濃紺の2パンツスーツと、グレンチェックのスーツ。3着でも4着でも欲しかったのでしょうが、もちろん予算もありますので、また春夏ということで、ジャケパン・ジャケスラ的に着回そうと考えたのかも知れません。初めて着る春夏スーツは、とても薄くて陽かざすと向こうが見えそうなぐらいで、着ていてもとても軽く、かなりニコニコ顔でした。この時のスーツの組み合わせのセレクトは、後々ずいぶんと役に立ち、少し派手めか・・・と、後悔しかけていたグレンチェックも歴史に裏打ちされた古典柄の重さは、少々の目立ち度もシックな上品さへとさりげなく変えてしまう不思議な力がありました。。また、紺スーツ上下は洋服屋の営業的には面白さに欠けたせいか、どちらかといえばグレンチェック上下の着まわしのお供的な存在で、紺上下のみで着ることは少なく、着用機会の少なさからその後10年近くはタンスに掛かっていたように思います。。グレンチェックのスーツがタンスから消えて5~6年、そろそろ個人的には2代目のこのクラッシクパターンのスーツ、もしくはジャケットを着てみたい・・と思っているところです。明るい生地に形作られる「ヘアラインストライプ」と「千鳥格子」の大格子柄は、タイトめスーツにもきっと相性が良いはずです。ブリティッシュ調にチェンジポケットをつけてみるのも、更にアクセントが効いていていいかも知れません。挿絵のロゴは、本当ならグレンチェックのスーツ見本でものせれば良かったのですが、ただいまサイトリニューアルに向けてフォトショップをすこーし勉強中なので、なんとなくそんな感じです。なにしろ美術とか芸術だとかデザインというものには昔から関心も薄く、成績も赤点ほどに悪かったので、まったく悪戦苦闘中です・・^^

オーダースーツ Pitty Savile Row
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