湯のしというスーツを仕立てる時にする準備

湯のしはスーツを仕立てる前に、生地が反物の状態で格納されている際、または生地問屋から搬送されてくるまでの間についてしまった生地のシワやゆがみを蒸気にあてることで回復させ、仕立ての際にお仕立て上がりに寸法誤差が生じないように生地の幅が一律となるように揃えたりする下準備のことをいいます。。着物の仕立て屋さんなどで耳にすることの多い、湯のし・湯通し・洗い張りなどと同じ目的のもので、オーダースーツにもあるもの。一反が50mほどにもなる反物の重みは、生地巾150cm、長さ3.2mほどの着分生地の中にさまざまなシワなどストレスを生じるため、そのお仕立て前のケアはスーツを仕立てる時には、欠かせない作業の一つです。。
麻などのシワ感を楽しむ素材は、素材そのものにシワ加工が施されているようなものを除いては、特にビジネス用スーツにとってシワは厳禁。。この湯のしに利用されるウール生地の回復力には、生地によっても差のあるものですが、一般にこのシワ軽減に強く影響する繊維段階での素材良さ、打ち込みの強さは、そのまま生地の良し悪しにつながります。。ただ、打ち込みが強くかための生地のみが良い素材、高級素材かというとそうでもなく、柔らかめでしなやかな風合いが特徴的なイタリア製素材など細番手のものは、その滑らかさが好まれています。打ち込みがしっかりしていて、シワになりづらい生地の代表は英国製生地、また日本製の国産素材はどのようなものも得意ですが、高級ブランドとして名前がまずあがる大同毛織、御幸毛織などの素材は、長期のご出張、ハードなお仕事条件にも耐えるビジネス・スーツとしてはおススメできます。。

オーダースーツ Pitty Savile Row
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