サイドベンツを浅くする

ベントはジャケットやコートの背の中心や脇に入れられる切込みのことで、もともと乗馬用のハッキングジャケットなどの背に入れ運動量を出すための機能的なデザインから、縫製の古い人は「馬乗り」と言う人もいます。。実際ベントを入れると、動きやすくまた見た目にも軽くなるため、店長よりももう少し上の世代の人からすると、「キザ」とか「カッコつけている」ようなデザイン。ビジネススーツというよりは、カジュアルジャケットだから・・という理由から選ぶ方が多いです。
よくお問い合わせをいただくことが多い、「ベント」と「スリット」の違いは、「ベント」が持ち出しの重なる部分があるもの、「スリット」は単なる切りあきで重なる部分がないもの。婦人もののスカートでいえば、「ベント」は足がみえずらく、「スリット」は切りあきから足が見えるときもあるのでセクシーという感じです。。
ベントの深さを浅くする、深くするというのは比較的オーダースーツでは利用されることが多い寸法変更です。基本的にはジャケット丈の3分の1程度という標準はありますが、各縫製ブランドとも、この部分の指定は採寸伝票に指定箇所もある項目。ジャケットのラペル巾と同じような感覚で気軽にご指定いただけます。採寸もベント長さを測るだけの簡単なもの。
Pitty Savile Rowでは、まだノーベントソフトスーツが好まれていたころ、なにかデザイン的に他人と違うものは・・と、おススメしたのが、ゆったりめなソフトスーツのため入れる必要がないサイドベンツを飾りで浅く入れてしまおうというもの。。今どきのスーツは、着丈が短いショート+タイトなスーツなので、センターベントにしてもサイドベンツにしてもベント深さ標準は浅いものとなっています。。

オーダースーツ Pitty Savile Row
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