比翼仕立て・フライフロントのコート、ジャケット

スーツのジャケットやコートの前開きの作り方で、一般的なジャケットは前端から1.5cm程度内側に釦穴を開けた打ち抜きの形をしているのですが、比翼仕立て(英語ではフライ・フロント)は、二重構造に作った前端の内側に釦穴を作り、外側からは釦が見えないようにしたもの。前端を二重構造に作るため、防風・保温的な効果があり、防寒用のアウターアイテムには必須のディテールで、釦が外から見えない外観はファッション性も高いです。。ジャケットで「比翼仕立て」とするときには、4釦~5釦など釦位置を高く、着丈を長め、フロントカットも開きの少ないものとすることで、より暖かく。素材選びも起毛感のあるものや、コーデュロイなど手触りも暖かなカジュアル感覚のものがおススメ。
この比翼仕立てに作られた「あき」を「比翼明き」といって、袖仕立ての「本明き」のようにも言われます。パンツの前立てを「ジッパー止め」でなく、「釦止め」とした場合にも、この前明きは「比翼仕立て」になります。。
また、前端をしっかり2枚作り、その2枚の間に釦をおさめるのが「本比翼したて」、前端は1枚で、裏表の裏側に釦穴を作り、前からは見えないようにしたものを「略比翼仕立て」といい、「隠しボタン」と通称されることもあります。。
スーツのご注文をいただく時に、この「比翼仕立て」で、釦オプションを「本水牛ボタン」とご指定いただくことがあり、袖釦は見えるものの、せっかくのジャケット前釦が隠れてしまって見えないけどいいのかな・・と、少し考えるときがありました。。

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