オールインラインのリージェンシーダブルブレステッド6釦3掛け

英国クラシックスタイルの代表的なダブルスーツのデザインとして上げられる「リージェンシー・ダブルブレステッド」は「リージェンシー」と言われる「摂政時代」、特に1811年から20年にかけて、狂人となってしまったジョージ3世治世下で行われた皇太子(のちのジョージ4世)の時代のダブルジャケットのデザイン。その当時の雰囲気を色濃く表わすものとして付けられた名前ですが、「リージェンシー」は19世紀初頭の英国の服飾スタイル全般をさす広い意味でも使われています。
「リージェンシー・ダブルブレステッド」は、ダブル6釦3掛けの釦配列を等巾とするオールインラインを特徴とし、ブリティッシュスーツ全体の傾向ともいえるウエスト位置が高め、深いサイドベンツをとったシェイプドライン。ダブルで3掛けの釦止めでは、第一釦位置も高くなり、Vゾーンも狭いというより英国スーツらしいカチっとしたジャケットスタイル。多くは、チョークストライプなどの縞柄で作られていたようです。
1960年代末ごろアメリカで流行し、日本には美しい時代への懐古主義的「ベルエポック」のファッション思考とともに広まったもの。6釦のうちの上2個が少し開き気味の釦配列となる「スプレッドアウト」に比べて、等間隔の釦巾が並ぶ「オールインライン」はタテの線がより強調されます。
この「リージェンシー」の時代は、メンズファッションの基礎が確立されたといわれる時代で、服飾の簡素化がより一層進むとともに、ダンディズムに新しい傾向が生まれました。

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